ボルダリングのグレードとは?初心者の目安と、無理なく上達する進め方【レンが解説】
ボルダリングのグレードを歴10年のレンがやさしく解説。日本の級・段とV〇の違い、ジムで基準が違う理由、初心者の現実的な目安と最初の目標、グレードに振り回されず上達する進め方まで。50代・中高年にも届く等身大の話です。
こんにちは、レンです。九州在住の51歳、週末ボルダリング歴は10年目に入りました。
ジムに通い始めると、必ず出会うのが「グレード」です。壁の課題に「6級」「3級」と書いてあったり、色のテープで分かれていたり。ネットや動画では「V3」「V5」なんて表記も見かける。最初は、自分が今どのへんにいて、何を目指せばいいのか、さっぱり分からないと思います。
10年前のわたしも、まったく同じでした。「級って数字が小さいほど難しいの?」「あの人が登ってたV4って何だ?」と、用語に振り回されて、肝心の登りが楽しめない時期がありました。
この記事では、ボルダリングのグレードの仕組みをやさしく整理してから、初心者の現実的な目安と最初の目標、そして「グレードに振り回されずに上達する進め方」までをまとめます。数字に一喜一憂しないための、地図のような記事になればうれしいです。
※話はすべてインドアのボルダリングジム前提で進めます。
レン、ジムに「6級」とか書いてあるんですけど、これって数字が小さいほど難しいんですか? 動画で見た「V3」とも別物っぽくて、もう混乱してます。
混乱して当然なんですよ。日本の「級・段」と、海外の「Vグレード」は別のものさし。しかも同じ6級でも、ジムが違えば難しさが違ったりする。まずはそこを切り分けるところから話しますね。落ち着いて読めば、ちゃんとスッキリしますから。
ボルダリングのグレードとは何か
グレードとは、ひとことで言えば課題の難しさを表す目安です。登る一つひとつのコースを「課題(問題)」と呼びますが、その課題に「これくらいの難しさですよ」と付けられた等級が、グレードです。
大事なのは、グレードは絶対的な数値ではないということ。体重や身長を測るような客観的な数字ではなく、「だいたいこのくらい」という目安にすぎません。だからこそ、ジムや国によって基準がずれます。
まずは、初心者がジムでよく見る2つの体系を押さえましょう。
日本のジムでよく使う「級・段」
日本のジムで主流なのが、武道や検定でおなじみの級・段です。やさしいほうから難しいほうへ、こう並びます。
級・段のおおまかな並び(やさしい→難しい)
- 10級〜6級:入門〜初心者ゾーン。まずはこのあたりから
- 5級〜4級:初級。少し考えて登る課題が増える
- 3級〜1級:中級。ここまで来ると「登れる人」の入り口
- 初段〜(段位):上級。級を抜けると、今度は段で表す
ポイントは、級は数字が小さいほど難しいこと。そして級を超えると、今度は段に移り、こちらは数字が大きいほど難しくなります。ここは最初つまずきやすいので、覚えておくと安心です。
海外でよく使う「Vグレード」
動画や海外の情報で見かけるのが、Vグレードです。V0、V1……とVのあとにつづくV数で難しさを表し、こちらは数字が大きいほど難しい。級・段とは増減の向きが逆なので、混同しないようにしましょう。
ざっくりした対応のイメージとしては、V0〜V2あたりが初心者ゾーン、V3〜V5が初級〜中級、という感覚です。ただし、これも厳密な換算表ではなく、あくまで「だいたいの目安」と思ってください。
じゃあ「6級=V2」みたいに、きっちり変換できるんですか?
それが、できないんですよ。だいたいの対応はあるけど、ジムや課題によってけっこうブレる。だから「うちのジムの6級は、よその5級くらい体感だな」なんて会話が普通に起きる。次でその理由を話しますね。
なぜジムによってグレードが違うのか
初心者が一番モヤモヤするのが、ここだと思います。「A店では6級が登れたのに、B店の6級は全然歯が立たない」。これは、よくあることです。
理由はシンプルで、グレードを付けるのは各ジムのスタッフさんだからです。共通の試験があるわけではなく、そのジムが「この課題は当店の6級くらい」と判断して設定しています。だから、お店ごとに少しずつクセが出ます。
ジムでグレードがずれる主な理由
- セッターの感覚差:課題を作る人の主観が入る
- ジムの方針:やさしめに付ける店、辛めに付ける店がある
- ホールドや壁の傾斜:同じ級でも壁の特徴で体感が変わる
- 得意・不得意:自分が得意な動きの課題は簡単に感じる
つまり、グレードは「そのジムの中での相対的な目安」と捉えるのが正解です。よその店や動画と直接比べて落ち込む必要は、まったくありません。
これはネガティブな話ではなく、むしろ気が楽になる事実だと思っています。数字は絶対評価ではないと分かれば、「今日は登れなかった」もただの一日の出来事になります。
初心者の現実的な目安と最初の目標
では、始めたばかりの人は、どのグレードを目安にすればいいのか。ここは正直にお伝えします。
最初は8級〜6級がスタートライン
ほとんどのジムで、初心者がまず触るのは10級〜6級あたりです。最初の数回は、8級や6級の課題を「登れた・楽しい」と感じられれば、それで十分すぎる立派なスタートです。
10年やってきて思うのは、最初に大事なのはグレードを上げることではなく、落ちる感覚・着地・ホールドの持ち方に体を慣らすこと。やさしい課題を何本も登るうちに、それらが自然と身についていきます。
最初の目標は「5級を安定して登れる」
少し先の目標を置くなら、わたしは**「5級を安定して登れる」**あたりをおすすめします。5級が安定してくると、ボルダリングの基本的な動きがひと通り身についてきた、というサインだからです。
ただ、ここに到達する速さは人それぞれ。数週間の人もいれば、半年かかる人もいます。50代から始めたわたしの実感では、焦らない人ほど、結果的に遠くまで行ける。これは断言できます。
周りの人がどんどん上の級を登ってると、やっぱり焦りませんか?
焦る気持ちはよく分かりますよ。でもね、周りはたいてい自分より先に始めてる人。スタート地点が違うんだから、比べても意味がない。見るべきは「先週の自分より、今日の自分が少し登れたか」。それだけで十分なんです。
中高年から始める方の上達の実感については、40代から始めたボルダリングの本当のところにも正直に書いています。同世代の方は、よければあわせてどうぞ。
グレードに振り回されない上達の進め方
ここからが、この記事で一番伝えたいところです。グレードはあくまで目安。数字に縛られず、楽しみながら上達していくための進め方を、4つにまとめます。
1. 同じ課題を繰り返し登る
上達の近道は、実は「新しい課題を次々こなす」ことではありません。一度登れた課題を、もう一度、もっとキレイに登ること。
同じ課題を繰り返すと、ムダな力みが抜けて、足の置き方が丁寧になります。10年やってきて、わたしが一番効いたと感じる練習がこれです。グレードの数字より、ひとつの課題を登り込んだ時間が、体を作ってくれます。
2. 自分が「ちょっとだけ難しい」課題を選ぶ
課題選びにはコツがあります。簡単すぎると練習にならず、難しすぎると心が折れる。狙うのは**「数回トライすれば登れそうな、ちょっとだけ難しい課題」**です。
課題を選ぶときの目安
- 登れる課題:ウォームアップや動きの確認に
- あと一歩で登れそうな課題:ここが一番、伸びる
- まったく歯が立たない課題:たまに挑戦する程度でOK
3. 体の使い方を「腕」から「足」へ
初心者がやりがちなのが、腕の力だけで登ること。これだとすぐに前腕がパンプして(張って)動けなくなります。
意識したいのは足で立って、腕は支えるだけという感覚です。しっかり足に乗れるようになると、同じ課題が驚くほど楽に登れます。グレードを上げる近道は、力をつけることより、足を使うことだったりします。
4. しっかり休む
そして見落とされがちなのが、休むこと。ボルダリングは指や前腕に大きな負荷がかかります。痛みを我慢して登り続けるのは、上達ではなく後退です。
わたしも一度、指の違和感を無視して2ヶ月完全に休むはめになりました。とくに中高年は回復に時間がかかるので、週1〜2回、間を空けて登るくらいがちょうどいい。怪我の予防については50代のボルダリングと怪我の話にまとめています。
50代・中高年でもグレードは楽しめる
「もう50代だし、上の級なんて無理だろう」。始める前のわたしも、そう思っていました。でも10年続けてみて、その心配はだいぶ的外れだったと感じています。
たしかに、20代と同じスピードでは上がりません。でも、グレードは自分の体と相談しながら、自分のペースで楽しむもの。誰かと競うためのものではありません。
中高年から始める人には、むしろ強みもあります。無理をしない判断ができること、淡々と続けられること。これは、長くボルダリングを楽しむうえで何より大きな力です。勢いだけで始めて1年で消えていく若い人を、わたしは何人も見てきました。
低めの級でも、登れたときの嬉しさは何級だろうと同じです。グレードという数字は、自分の歩みを確かめるための小さな目印くらいに思っておく。それが、長く楽しむコツだと10年やってきて思います。
これから始める同世代の方は、50代からボルダリングを始めて気づいた7つのこともよければ読んでみてください。
グレードが上がってきたら、シューズを見直す
これは少し先の話ですが、5級・4級と登れるようになってくると、足先で小さなホールドに立つ場面が増えてきます。そのタイミングで一度見直したいのが、シューズです。
最初の1足は、足が反っていないフラットで痛くないモデルで十分。ですが、上達して課題が変わってくると、もう少し足先で踏ん張りやすいシューズが助けになることがあります。あくまで「課題が変わってから」で大丈夫なので、慌てて買い替える必要はありません。
シューズ選びの基本は初心者のファーストクライミングシューズ選びに詳しくまとめています。買い替えを検討する段階になったら、定番モデルから探してみてください。
ボルダリングシューズ(初心者〜ステップアップ向け)
グレードが上がってきて「足で立つ」感覚が分かってきた頃の見直し用に。最初の1足はフラットで痛くないモデルで十分。課題が変わってきたと感じたら、定番モデルから自分の足に合うものを探してみてください。
まとめ:グレードは目安、楽しむのが目的
最後に、要点を振り返ります。
この記事のまとめ
- 級・段は数字が小さいほど難しく、段は逆に大きいほど難しい
- Vグレードは数字が大きいほど難しい(海外でよく使う)
- グレードは絶対値ではなく、ジムごとに基準が違う目安
- 初心者はまず8級〜6級から、最初の目標は5級を安定して
- 上達の近道は、繰り返し登る・足を使う・しっかり休む
グレードは、自分の歩みを確かめるための小さな目印です。数字を上げること自体が目的になると、ボルダリングはとたんに苦しくなります。逆に、目印として上手に付き合えば、「先週より一段上がれた」という小さな喜びを何度も味わえます。
数字に振り回されず、今日の一本を楽しむ。それが、10年続けてきたわたしがたどり着いた、いちばんの上達法です。まずは次にジムへ行ったとき、やさしい課題を一本、ていねいに登るところから始めてみてください。
これから始める方はボルダリング初心者が最初にやること7ステップ、道具をそろえる段階ならボルダリング初心者が最初に揃えるもの5選もあわせてどうぞ。
グレードの仕組みが分かって、すごく気が楽になりました。まずは6級を一本、ていねいに登ってきます。
それが正解です。数字はあとからついてくるもの。今日の一本を楽しむ気持ちを忘れなければ、自然と登れる課題は増えていきます。応援してますよ。
本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。グレードの設定はジムごとに異なります。課題の難易度やルールは各ジムの表示・スタッフの案内に従ってください。
運営:レンの週末ボルダリング
レン(週末ボルダー・10年目)
九州在住・51歳。会社員しながら週末は岩場やジムへ。 トップクライマーじゃない普通のボルダー目線で、これから始める人向けに書いてます。