WEEKEND BOULDERING

レンの週末ボルダリング

10年続けてる週末ボルダーが、これから始める人に向けて書く入門ブログ

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体のケア

50代クライマーの怪我予防と回復のリアル

51歳・ボルダリング歴10年のレンが、50代で続けるうえで避けて通れない『怪我が怖い』『治りが遅い』という不安に、自分の体験を軸に寄り添います。指・肩・腰のケア、ウォームアップ、休む勇気、回復にかかる時間のリアルを等身大で。

こんにちは、レンです。九州在住の51歳、週末ボルダリング歴は10年目に入りました。

このブログを覗きに来てくれる方の中には、「もう若くないのに登っていて怪我をしないか」「一度痛めたらなかなか治らないんじゃないか」と、不安を抱えている人がいると思います。これから始めたい人も、すでに登っている同世代も。

その不安、よく分かります。私自身、40代の終わりに始めてから10年のあいだに、指も肩も腰も、何度か痛い目を見てきました。今日はその実体験を軸に、50代が怪我とどう付き合いながら長く続けていくか、私なりの感じ方を書いてみようと思います。

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先に一つだけお断りを。私は医療の専門家ではありません。ここに書くのはあくまで一クライマーの体験と工夫の話なので、痛みやしびれなど気になる症状があるときは、自己判断せず整形外科などの専門医に相談してください。これがいちばん大事なことだと、痛い思いをしてきた身としては思います。

50代になって変わったのは「治る速度」だった

始める前、私がいちばん怖がっていたのは「怪我そのもの」でした。落ちて骨折したらどうしよう、と。

でも10年やってきて分かったのは、室内ジムでマットの上を登っている限り、派手な大怪我はそうそう起きないということ。実際、私がこれまで悩まされてきたのは、転倒や落下ではなく、もっと地味な「使いすぎ」や「冷え」からくる痛みでした。指の関節、肩の奥、腰。どれも一発でやられるというより、じわじわ蓄積してある日「あれ、痛いぞ」となるタイプ。

そして50代になっていちばん実感が変わったのは、怪我のしやすさより、治る速度のほうでした。

20代なら数日で引いたであろう違和感が、私の場合は2週間、3週間とくすぶる。これは正直こたえます。ただ、これを「年だから仕方ない」と暗く受け取るのではなく、「だったら痛める前に手を打とう」と切り替えられたとき、ボルダリングとの付き合い方がだいぶ楽になりました。

指:50代がいちばん気をつけたい部位

ボルダリングで最初に悲鳴を上げやすいのが、指だと思います。私もそうでした。

登り始めて半年ほど経った頃、小さなホールドを保持する課題に夢中になっていたら、ある朝ペットボトルのキャップが開けにくいことに気づいた。第二関節のあたりに鈍い違和感があって、握り込むと痛む。今思えば、保持力がついてくる時期に、関節や腱がそれに追いついていなかったんだと思います。

50代の指は、本人が思っているよりデリケートです。私の場合、効いたのは次のようなことでした。

  • 強傾斜の小さいホールドを握り込む課題を、しばらく封印した
  • 登る前に、指を一本ずつゆっくり開いて握る動きを繰り返した
  • 痛みがある日は、その指を使わない縦ホールド中心の課題だけにした
  • 違和感が出たら、その週はもう登らずに帰る勇気を持った

特に最後の「帰る勇気」は、若い頃にはなかった発想でした。せっかく来たのに、という気持ちはもちろんあります。でも、ここで無理して一週間休むはずが一ヶ月休むことになる、というのを何度か経験して学びました。指の違和感は、体が出してくれている早めの警告だと受け取るようになってから、長く付き合えるようになった気がします。

それでも痛みが引かない、しびれや腫れがある、といったときは、自己流のケアで粘らずに専門医に診てもらうのがいいと思います。指は日常生活すべてに関わる部位なので、ここだけは慎重すぎるくらいでちょうどいい。

肩と腰:中高年に多い「奥のほうの痛み」

指の次に私が手こずったのが、肩でした。

四十肩を一度やっている身としては、肩まわりはもともと不安要素。ボルダリングは引きつける動作が多いので、ウォームアップが足りないまま遠いホールドに飛びつくようなムーブをすると、肩の奥にピリッとくることがあります。私の場合は、登り始めの一本目を全力で行かないこと、これだけでだいぶ違いました。最初の数本は、楽に登れる課題で肩を温める時間と割り切る。

腰は、ヒールフックや高く足を上げるムーブで張ってくることが多いです。デスクワークではないとはいえ、50代の腰は油断ならない。登ったあとに腰が重いなと思う日は、帰ってから湯船にゆっくり浸かるようにしています。

肩も腰も、「奥のほうがなんとなく痛い」という感覚は侮れません。表面の筋肉痛と違って、こういう深いところの違和感は、引くのに時間がかかることが多い印象です。個人差はありますが、私はこの手の痛みが出たら、無理に動かさず、まず数日おとなしくするようにしています。

ウォームアップは「怪我を減らす」より「翌週も登るため」

ウォームアップが大事、というのはよく言われることですし、私もその通りだと思います。ただ、20代の頃の自分なら「面倒くさい」と感じていたはず。

50代になって考え方が変わったのは、ウォームアップを「今日怪我をしないため」というより「来週も再来週も登り続けるため」のものとして捉えるようになったからです。

私が今やっているのは、たいそうなことではありません。

  • ジムに着いたら、いきなり登らず5分ほど肩・股関節・手首を回す
  • 指は一本ずつ、ゆっくり開いて握る
  • 一本目は、自分にとって相当やさしい課題から
  • 体が温まってきたな、と感じてから本命の課題に向かう

逆に登り終わったあとも、軽く伸ばしてから帰る。この「前後の数分」をサボった週は、翌週に体が重く感じることが多い、というのが私の実感です。50代は回復に時間がかかるぶん、登る前後のひと手間が、次に登れるかどうかをけっこう左右します。

このあたりの「最初に身構えるほど怖くない、でも体のケアは大事」という感覚は、始めたばかりの頃の話とも地続きです。よければ 50代からボルダリングを始めて気づいた7つのこと も覗いてみてください。始める前の心の壁について書いています。

休む勇気と、回復にかかる時間のリアル

ここがいちばん書きたかったところかもしれません。

10年やってきて、私が下手なりに身につけたいちばん大事な技術は、登る技術ではなく「休む技術」でした。

若い頃のイメージで「週末は欠かさず登る」と決めてしまうと、体が万全でない日も無理をすることになります。50代だと、これがじわじわ効いてくる。私は一度、肩の違和感を抱えたまま「来週には治るだろう」と通い続けて、結局かばった動きが腰にきて、両方こじらせたことがありました。痛みのリレーみたいなもので、あれは本当に情けなかった。

それ以来、私は「迷ったら休む」を基本にしています。痛みがあるのに登るのは、貯金を切り崩すようなものだと思うようになりました。

回復にかかる時間も、正直に書いておきます。あくまで私の場合ですが、指の軽い違和感なら1〜2週間、肩の奥の張りは2〜3週間、腰は良くなったり戻ったりを繰り返しながらひと月、というくらいの感覚です。これは人によって、また症状によって大きく違うはずなので、目安にもならないかもしれません。ただ「若い頃よりずいぶん長くかかる」という心構えがあるだけで、焦って復帰して再発させる失敗は減らせると思います。

休んでいるあいだ、登れないのはもどかしい。でも、休んだぶん体は確かに回復してくれる。そう信じて待てるようになったのも、10年続けてきたなかで少しずつ身についたことでした。

道具も、地味に体を守ってくれる

怪我予防というと体のケアの話になりがちですが、道具も意外と効いてきます。

たとえばシューズ。攻めた形状のきついシューズは、若い人の鋭いムーブには向いていても、50代が長時間履くと足指の関節に負担がかかりやすい。私は今、ある程度ゆったりめで足なじみのいいシューズを選ぶようにしています。足が痛いと無意識に変なバランスで登ってしまい、それが膝や腰に回ってくることがあるので。

シューズ選びについては 初めてのボルダリングシューズの選び方 に詳しく書いたので、これから一足目を選ぶ方は参考にしてもらえればと思います。中高年の足には、見た目や性能の前に「痛くないこと」がけっこう大事です。

あとは、寒い時期の防寒。順番待ちで体が冷えると、指も肩も痛めやすくなります。私はジムでも、出番でないときは薄手の上着を一枚羽織るようにしています。地味ですが、冷えは中高年の体には思った以上に響くので。

年齢と付き合いながら、長く続けるために

ここまで怪我の話ばかり書いてきたので、最後は少し前向きなことを。

50代でクライミングを続けるというのは、若い頃のように「強くなる」ことを追いかける登り方とは、たぶん違う登り方になります。私自身、グレードはもう何年も大きく変わっていません。それでも続けているのは、登っている時間そのものが楽しいから。

体と相談しながら、痛むなら休み、温めてから登り、無理な一手は次回に持ち越す。この淡々としたサイクルを守ってきたからこそ、10年続いたんだと思います。強さを求めて飛ばしていたら、たぶんどこかで体を壊して辞めていた。

怪我が怖い、治りが遅い。その不安は、続けるうえで消えはしません。でも、不安があるからこそ慎重になれて、慎重だからこそ長く登れる、という面もあると感じています。怖がりなくらいで、50代にはちょうどいい。

まとめ:痛める前に休む、迷ったら専門医へ

長くなったので、私が大事にしていることを並べておきます。

  • 50代は怪我のしやすさより「治る速度の遅さ」を前提に動く
  • 指の違和感は早めの警告。その週は帰る勇気を持つ
  • 一本目を全力で行かない。ウォームアップは「翌週も登るため」
  • 迷ったら休む。痛みを抱えたまま登ると痛みが連鎖する
  • シューズや防寒など、道具も体を守ってくれる
  • しびれ・腫れ・引かない痛みは、自己判断せず整形外科などの専門医に相談する

10年続けてきた一人の人間の、等身大の付き合い方として受け取ってもらえれば嬉しいです。同世代のみなさんが、無理なく長く壁の前に立ち続けられますように。

また気が向いたら、覗きに来てください。

ABOUT THE AUTHOR

レン(週末ボルダー・10年目)

九州在住・51歳。会社員しながら週末は岩場やジムへ。 トップクライマーじゃない普通のボルダー目線で、これから始める人向けに書いてます。