50代からボルダリングを始めて気づいた7つのこと
51歳・ボルダリング歴10年のレンが、50代から始めて10年続けてきた中で気づいたことを7つに絞ってまとめました。これから始めたい同世代へ、等身大の実感を込めて。

こんにちは、レンです。九州在住の51歳、週末ボルダリング歴は10年目に入りました。
このブログを覗きに来てくれる方の中には、「50代から始めても大丈夫かな」と迷っている人が結構いると思います。私自身、40代の終わりに恐る恐る一歩を踏み出した側の人間なので、その気持ちはよく分かるつもりです。
10年続けてみて思うのは、最初に想像していた壁と、実際にぶつかった壁はけっこう違ったということ。今日はそのギャップを、7つの気づきとしてまとめてみます。
「上手くなった」とは正直思っていません。グレードは相変わらず控えめ。ただ、淡々と10年同じことをやってきたからこそ見えてきたものはあると思うので、これから始める同世代の参考になれば嬉しいです。
1. 体力より「ためらい」のほうが先に立ちはだかる
始める前に一番気にしていたのは体力でした。「50代の体でぶら下がれるのか」「腕の力が持つのか」と。
でも実際にジムに着いて分かったのは、最初の関門は体力じゃないということ。受付で名前を書き、シューズを借り、マットの上で初めて壁を見上げる。この一連の流れに、想像以上に気後れする自分がいました。
40代の私が一人で踏み込んだ平日夜のジムは、若い人が和気あいあいと登っていて、正直「場違いだったかも」と。最初の30分は壁の隅で、貸しシューズの紐をいじりながら様子を伺っていた記憶があります。
体力的にきつかったのは1〜2ヶ月後の話。最初の壁は心の側にありました。
2. 体の硬さは、思っていたほど致命傷ではない
「体が硬いから無理」とよく聞きますし、私自身そう思っていました。長座体前屈で手が膝の少し先までしか届かない、四十肩を一度経験している、そんな体です。
ところが、低めの級の課題は思ったより普通に登れました。柔軟性の問題は、もう少し上を目指したくなってから出てくる課題だと感じます。
10年やっていても、私は今でも開脚はほぼできません。それでも続けてこられたのは、ボルダリングが「柔らかい人だけのスポーツ」ではないからだと思います。
ただストレッチはやっておいた方がいい。柔らかくなるためというより、翌日の体を軽くするため。50代は回復のスピードが20代と違うので、登る前後の数分のケアが翌週の参加可否を左右します。
3. 怖さは消えない。でも付き合い方は変わる
正直に書くと、10年経った今でも、初見の高めの壁を見上げると一瞬「うっ」となります。落ちることへの怖さは、年齢を重ねるほど抜けにくいというのが私の実感です。
ただ、付き合い方は変わってきました。
最初は「怖い=登らない」だった反応が、今は「怖い=足元の置き方を確認してから一手出す」になっています。怖さを無理に消そうとせず、怖さがある前提で動きを組み立てる感じ。
ジム内なら下にマットがあり、無理に上まで行かなくても課題は楽しめます。私もいまだに、自分の身長の倍を超える高さの終了点近くでは慎重になる。それでいいんだと、10年やってきて思います。
4. 周囲の目は、想像していたほど自分に向いていない
これは始める前に一番気にしていたこと。「50代がジムに居て浮かないか」「下手なところを見られたら恥ずかしい」と。
通い始めて気づいたのは、周りの人は自分の課題に集中していて、他人の登りなんてほとんど見ていないということ。たまに目が合っても、それは「次その課題やります?」という順番の確認だったり、「ナイス」と声をかけてくれる軽い挨拶だったり。
10年通っていて、年齢で嫌な思いをしたことは一度もありません。若いクライマーが自然にホールドの位置を譲ってくれたり、降りる時に手を貸そうとしてくれたり。ジムは異世代のコミュニケーションがフラットな場所だと感じます。
私が緊張していたのは、自分が自分を見ていたから。周りはそれほど見ていなかった。
5. 上達曲線は「踊り場」が長い
最初の1〜2ヶ月は、わりとぐんぐん登れるようになります。これは50代でも同じ。登れなかった課題が次の週には登れて、毎回楽しい。
問題はその先。半年くらい経つと「同じグレードを行ったり来たり」という時期が来ます。私はこの時期に一度モチベーションが下がりかけました。「もう自分はここまでなのか」と。
振り返るとそれは踊り場のような時期で、ある日ふっと一段上がる感覚があります。10年で何度も繰り返してきました。
停滞して見える期間は、体と動きが下準備をしている時間。焦って通う頻度を増やすより、淡々と続けたほうが結果的に長くやれる、というのが私の経験則です。
6. ジムは1軒目で決めなくていい
最初に通ったジムは「家から一番近い」という理由だけで決めましたが、結論からいうとそれで十分でした。
ただ、もし時間に余裕があれば、2〜3軒は体験で回ってみるのをおすすめします。ジムによって違うのはこのあたり。
- 課題の傾向(やさしめ多めか、攻めた課題が多いか)
- ホールドの種類(持ちやすいか、つるつる系も多いか)
- スタッフさんとの距離感
- 平日夜と土日朝の混み具合
50代の体には、人が少ない時間帯に通えるジムのほうが向いていると感じます。順番待ちで体が冷えるのは、20代より影響が大きいので。
私は今でこそ1軒に落ち着いていますが、最初の1年は3軒を行き来していました。比較するからこそ、自分に合う場所が見えてくる。
7. 10年続いたのは「強くなろうとしなかった」からだった
最後にいちばん言いたいことを。
50代から始める方の多くは、たぶん「強くなりたい」「上のグレードを登りたい」という気持ちを少なからず持って始めると思います。それ自体は健全な動機です。
ただ、10年振り返って思うのは、私が続いた理由は「強くなろうとしなかった」からだったということ。週末に登りに行き、登れる課題を登り、登れない課題は次回に持ち越し、家に帰ってビールを飲む。このルーティンを変えなかったから、10年続きました。
私の周りには、私より後に始めて私よりずっと上手くなった人もいれば、勢いよく始めて1年で消えていった人もいます。続けるか・上手くなるかは別の話で、50代から始める場合は「続ける」を先に確保するのが現実的だと感じます。
上手くなるかどうかは、続けた先にあるおまけのようなもの。
まとめ:完璧な準備より、1回の体験
7つ並べてみて改めて思うのは、50代からのボルダリングは「想像で身構えるほど怖いものではない」ということ。
完璧な準備をしてから始める必要はなくて、最初の1回の体験で自分の感覚を確かめてから道具を揃えるくらいでちょうどいい。私自身、最初は貸しシューズ・貸しチョークで通っていました。
このブログでは、シューズ選び・体のケア・家族との折り合いなど、50代から始める人がぶつかりやすいテーマを少しずつ書いていく予定です。気になる記事があれば、また覗きに来てもらえると嬉しいです。
10年続けてきた人間の等身大の話として、受け取ってもらえれば。
レン(週末ボルダー・10年目)
九州在住・51歳。会社員しながら週末は岩場やジムへ。 トップクライマーじゃない普通のボルダー目線で、これから始める人向けに書いてます。