初心者におすすめのファーストクライミングシューズ7選【スリッパ・レースアップ・ベルクロ徹底比較】
初心者の最初の1足、結論はスリッパタイプ。10年続けて分かった「足が痛くないこと」「着脱が楽なこと」を軸に、3タイプのメリット・デメリットと7モデルを比較。1足目選びで失敗しないためのポイントをレンが詳しくまとめます。
「ボルダリングを始めたいけど、最初の1足はどれを選べばいいの?」
シューズ選びで迷っている方、本当に多いです。わたしも10年前、何の知識もないまま「とにかくかっこいいやつ」を選んで、3か月間ずっと足が痛かった——あの失敗は誰にもしてほしくないと思っています。
結論からお伝えします。初心者のファースト1足には、スリッパタイプがおすすめです。理由はシンプルで、
- 着脱がストレスゼロ
- 足が痛くなりにくい
- 価格も2万円前後で手の届くレンジ
という3点が揃っているから。レースアップやベルクロにもそれぞれ良さはありますが、「最初の1足」という条件で見ると、スリッパに勝るものは少ないというのがわたしの実感です。
この記事では、3タイプの違いを30秒で整理してから、各タイプの代表モデルを合計7足ご紹介します。最後に「サイズ選びで気をつけること」もまとめたので、ECサイトで購入する前に読んでいただけたらうれしいです。

レン、シューズ買おうとして調べたら種類が多すぎて何が違うのか分からなくなりました。最初は何を基準に選べばいいんですか?
気持ち、めちゃくちゃ分かる。10年前のおれも同じだった。基準は3つだけ覚えておけばいい。「痛くない」「脱ぎ履きが楽」「2万円前後」。これを満たすやつから選べば、まず失敗しない。
クライミングシューズ3タイプの違いを30秒で
クライミングシューズは、固定方法によって3タイプに分かれます。それぞれの特徴を表で整理します。
| タイプ | 固定方法 | 着脱の楽さ | フィット調整 | 初心者適合 | 価格帯 | |---|---|---|---|---|---| | スリッパ | ゴム伸縮 | ◎ 抜群 | △ 細かい調整は不可 | ◎ おすすめ | 1.7〜2.2万円 | | ベルクロ | マジックテープ | ○ 楽 | ○ それなりに調整可 | ◎ 王道 | 1.6〜2.0万円 | | レースアップ | 紐 | △ 時間かかる | ◎ 細部まで調整可 | △ こだわり派向け | 2.5〜3.0万円 |
わたしが「初心者ならスリッパ」と推す理由は、休憩のたびに脱ぎ履きしやすいから。中高年が始めるなら特に重要なポイントです。1〜2時間のセッションでも、休憩は5〜10回入る。そのたびに紐をほどいたり結んだりするのは、想像以上にストレスになります。
ただし、ベルクロも王道で間違いはありません。「着脱の楽さ」と「ある程度のフィット調整」のバランスを取りたい方には、ベルクロが向きます。
スリッパタイプのおすすめ3モデル(初心者の最有力)
ここから具体的なモデルをご紹介します。スリッパは初心者の最推奨なので、3モデル分厚めに取り上げます。

1. Scarpa Veloce(スカルパ ベローチェ)
価格帯:参考19,800円前後(税込・「ベローチェL」グレードは20,000円台後半)
特徴:
- インドアモデルで快適性とパフォーマンスの両立が高水準
- つま先・かかとが幅広めで、日本人の足にも合いやすい
- マイクロファイバーアッパーで伸縮性○、ソフトで滑らか
- 「クライミングシューズの痛みを極限まで軽減」と公式PR
メリット:足が痛くなりにくく、長時間履ける。柔らかいので脱ぎ履きも楽。1足目で「痛い思いをしたくない」と思う中高年の方には、わたしが一番おすすめしたいモデルです。
デメリット:柔らかいぶん、小さなホールドへのエッジング感は最高峰モデルに劣ります。ただし初心者の段階では問題になる場面はほとんどありません。
こんな方に向く:50代・60代から始める方で、足の痛みをまず避けたい方。「1足目はしっかり快適に」を優先したい方。
2. La Sportiva Cobra(ラ・スポルティバ コブラ)
価格帯:参考18,000〜22,000円前後
特徴:
- La Sportivaのスリッパ系ベストセラー
- インステップに強力なラバーバンド、ヒールフックでもズレにくい
- 薄めのミッドソールで足裏感覚に優れる
メリット:着脱が抜群に楽で、足裏感覚もしっかり。スリッパなのにヒールフックも使える設計が、上達してからも長く使える理由です。
デメリット:履き慣れるまで足首回りがきつめに感じることがあります。試着できるなら強くおすすめします。
こんな方に向く:「スリッパで本格派」を求める方、フットワーク重視で足裏感覚を磨きたい方。
3. Five Ten NIAD Moccasym(ファイブテン ナイアド モカシム)
価格帯:参考17,000〜22,000円程度(並行輸入が中心)
特徴:
- 1992年初代Anasazi Moccasym以来、スリッパの代名詞として愛され続ける
- HT(ハイティア)レザーで耐久性向上、Stealth C4ラバー採用
- 海外の調査で初心者おすすめ1位になった伝説的モデル
メリット:着脱の楽さは他の追随を許さないレベル。履けば履くほど足に馴染んでいきます。
デメリット:日本国内の流通が限定的で、サイズ・在庫の確保が安定しません。旧Anasazi Moccasymは廃盤になっているため、購入時は現行のNIAD Moccasymを選んでください。
こんな方に向く:「歴史あるレジェンド機を試したい」方。並行輸入に抵抗がない方。
ベルクロタイプのおすすめ2モデル(着脱と調整のバランス型)
「スリッパは緩そうで不安、レースアップは脱ぎ履きが面倒」という方には、ベルクロが王道の選択肢です。

4. Scarpa Origin / Origin VS(スカルパ オリジン)
価格帯:参考17,600〜19,800円(税込)/Origin VSは約16,000〜17,600円
特徴:
- エントリーモデルの定番、コスパに優れた1足
- ストレートで足の形を選ばないフラット型
- 大型ラバートゥパッチ+S72ラバーで安定感○
- 標準2ストラップベルクロで着脱は楽
メリット:1万円台の価格設定で、初心者の最初の1足としてとても入りやすいです。フラット型なので痛くなりにくく、着脱もベルクロでスムーズ。
デメリット:Scarpaの他モデルよりハーフサイズ大きめなので、サイズ選びは要試着。性能のピークは初心者〜初中級まで、上達したら買い替えが必要になります。
こんな方に向く:「とにかく安く始めたい」「最初は試しのつもりで」という慎重派の初心者。
5. La Sportiva Tarantulace(ラ・スポルティバ タランチュラレース)
価格帯:参考17,000円(税込)/約99ドル
特徴:
- 米国ベストセラー、初心者の鉄板モデル
- クモの巣状ベルクロデザインでアッパーをサポート
- FriXion RSソールは耐久性が高く、毎週ジム通いに耐える
- 柔らかいレザーアッパーで足馴染み○
メリット:耐久性が高く、初心者の練習量にもしっかり耐える。クセのない素直な型なので、テクニックを学ぶ過程で変な癖が付きにくいです。価格も良心的。
デメリット:性能のピークは初心者〜初中級まで。上達後は買い替えが前提になります。サイズ感が独特で、実寸より大きめが目安です。
こんな方に向く:「定番で間違いないやつ」を探している方、コスパも妥協したくない方。
レースアップタイプのおすすめ2モデル(こだわり派・長期視点)
「最初の1足を妥協したくない」「将来は本格的にやりたい」という方には、レースアップも選択肢になります。ただし着脱の手間と価格は覚悟してください。

6. La Sportiva Mythos(ラ・スポルティバ ミトス)
価格帯:参考25,000〜30,000円前後(並行輸入)/海外RRP 159ドル
特徴:
- 1991年発売、35年間設計が変わらない超ロングセラー
- 長時間履いても疲れない快適性と汎用性で長年支持されている
- 特許取得済みのレーシングシステムで足全体に均一なフィット
メリット:長時間履いても疲れにくく、痛くなりにくい。紐で細部までフィット調整できるため、足の形にうるさい方にも向きます。35年の信頼があり、長く使える1足です。
デメリット:レースアップなので着脱が面倒。スリッパ系より価格も高め。「レンタルシューズ感覚」では選ばない、こだわり派向けです。
こんな方に向く:「最初の1足を妥協せず、長く使いたい」方。「将来は本格的に取り組みたい」という方。
7. Scarpa Helix(スカルパ ヘリックス)
価格帯:参考23,510円〜(サイズ・色により変動)
特徴:
- ガイドにも初心者にも人気のクラシックレースアップ
- XS Edgeラバー:堅く一貫性のある耐久ラバー、エッジングを学ぶのに向く
- パッド入りヒールカップ、アキレス腱を圧迫しない設計
- パッシブランドで長時間快適
メリット:エッジング技術を学ぶのに向いています。紐で細部まで調整可能で、足の形に確実に合わせられる安心感もあります。
デメリット:着脱が面倒(休憩のたびに脱ぎ履きするタイプには不向き)。スリッパ系より重め。
こんな方に向く:「フィット感を細かく調整したい」方。紐の手間を厭わない丁寧派。
7モデル一覧表(比較しやすいように)
| # | モデル | タイプ | 価格帯 | 初心者適合度 | |---|---|---|---|---| | 1 | Scarpa Veloce | スリッパ | 約19,800円 | ★★★★★ | | 2 | La Sportiva Cobra | スリッパ | 約18,000〜22,000円 | ★★★★☆ | | 3 | Five Ten NIAD Moccasym | スリッパ | 約17,000〜22,000円 | ★★★★☆ | | 4 | Scarpa Origin / VS | ベルクロ | 約16,000〜19,800円 | ★★★★★ | | 5 | La Sportiva Tarantulace | ベルクロ | 約17,000円 | ★★★★★ | | 6 | La Sportiva Mythos | レースアップ | 約25,000〜30,000円 | ★★★☆☆ | | 7 | Scarpa Helix | レースアップ | 約23,510円〜 | ★★★★☆ |
サイズ選びで気をつけたい3つのこと
モデルは決まったとして、サイズで失敗したくないんですけど、何を基準に選べばいいですか?
これがいちばん大事な話。10年前のおれは、ここで盛大にしくじった。3つだけ覚えておいてほしい。
シューズ選びで一番事故が起きやすいのが、サイズ選びです。3つだけ守ってください。
1. ジャストサイズ。きつめで攻めない
「クライミングシューズは小さめが正解」という情報がネットには溢れていますが、初心者の最初の1足ではジャストサイズで十分です。きつすぎると痛みでクライミングが嫌になります。「足の指が軽く曲がる程度」が目安です。
10年前のわたしは、ハーフサイズ小さく買って3か月間ずっと痛みに耐えていました。痛くて続かないのが、初心者にとって最大の落とし穴です。
2. ECサイトのサイズ表は鵜呑みにしない
メーカーごとにサイズ感が大きく異なるのがクライミングシューズの特徴です。Scarpa OriginはScarpaの他モデルよりハーフサイズ大きい、La Sportiva Tarantulaceは実寸より大きめ——こうしたメーカー固有のクセがあります。
普段のスニーカーと同じ感覚で選ぶと、ほぼ確実に外します。
3. 可能なかぎり店舗で試着する
これが一番強くお伝えしたいことです。店舗試着を強くおすすめします。
カモシカスポーツ・PUMP・グッぼる・CLIMBS WORLDなど、クライミング専門店ならスタッフがフィッティングを手伝ってくれます。試着で「親指の付け根が痛くないか」「かかとが浮かないか」を確認してから買ってください。
近くに専門店がない方は、無料返品対応のあるECサイトで複数サイズを取り寄せて、家で試着→合わないサイズを返品、という方法もあります。
1足目で買わなくていい道具
シューズ以外で、最初に揃えたほうがいい道具ってありますか?
シューズとチョークさえあれば、最初の半年は十分。慌てて何でも揃えなくていい。
「最初に何を揃えればいいか」と聞かれると、わたしはいつもシューズとチョークだけと答えます。
- シューズ:ジムのレンタルから卒業したら、自分のものを
- チョーク(粉末またはリキッド)+チョークバッグ:手汗を抑えて滑り止めに
ハーネス・ロープ・ヘルメットはボルダリングでは使いません。マット(クラッシュパッド)も屋外専用なので、ジムでは不要です。
シューズとチョークで合計2〜2.5万円。これだけ揃えておけば、半年間は何の支障もなくジムに通えます。
詳しい初心者向けの始め方は、ボルダリング初心者が最初にやること7ステップにまとめています。
まとめ:迷ったらScarpa VeloceかOrigin
10年続けてきた経験から、**初心者の最初の1足としてわたしがいちばんおすすめするのはScarpa Veloce(スリッパ)**です。「足が痛くないこと」が継続できる最大の要因だと、何度も実感してきました。
価格を抑えたい方は**Scarpa Origin(ベルクロ)**でも問題ありません。1万円台で買えて、フラット型で痛くなりにくく、ベルクロで着脱も楽。コスパで選ぶならOrigin、快適性で選ぶならVeloce——この2択でほとんどの初心者が満足できる、というのがわたしの結論です。
レースアップは「将来も含めてしっかり1足」と決めた方向け。最初は無理にこだわらなくて大丈夫です。
サイズ選びだけは妥協せず、可能なかぎり店舗で試着してから購入してください。
本記事は2026年4月時点の公式情報をもとに作成しています。価格・モデル展開は変更される場合があるため、購入時は各メーカー公式サイトでご確認ください。
運営:レンの週末ボルダリング
レン(週末ボルダー・10年目)
九州在住・51歳。会社員しながら週末は岩場やジムへ。 トップクライマーじゃない普通のボルダー目線で、これから始める人向けに書いてます。